【植 物】
【種 名】アオキ (ミズキ科/常緑低木) Aucuba japonica |
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【特 徴】 日陰でもよく育ち、観音崎の照葉樹林でもよく見られる。 枝は緑色で、葉は約20pと大きく艶があり荒い鋸歯がある。 雌雄異株。雄株の方がたくさん花をつけ、花には4つの雄しべがあり、黄色い花粉が目立つ。雌花はあまりめだたず中心に太い雌しべを持つ。 花期は3〜5月。 実は1〜2pの楕円形で秋に赤く熟し、4月頃まで残る。 冬の森の中でひときわ鮮やかな緑の葉と赤い実のコントラストが目を引く。 |
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大きさ |
高さ2m |
分 布 |
日本原産。 庭木として栽培され、園芸品種も多い。 |
【植 物】
【種 名】カジイチゴ (バラ科/半常緑低木) Rubus trifidus |
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【特 徴】 茎はやや太く、茎にも葉にもとげはない。 葉は掌状の単葉で5〜7つの切れ込みがある。 落葉するが、暖地では葉は越冬する。 花期は3〜5月。白色で直径4〜5cmの5花弁をつける。 暖かい観音崎では2月頃から花が見られる。 実は5〜6月頃に見られる。集合果で赤っぽい黄色、 甘酸っぱくおいしい。 他のキイチゴ属の植物と雑種を作りやすい。 観音崎では南に面した海岸付近でよく見られる。 近縁のモミジイチゴは葉の下に花をつけるが、本種は葉の上に つける。 |
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大きさ |
高さ1〜2.5m |
分 布 |
本州、四国、九州の温暖な地域の海岸。 |
【植 物】
【種 名】シロダモ (クスノキ科/常緑高木) Neolitsea sericea |
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【特 徴】 雌雄異株。 葉は長楕円形で全縁。表面は濃緑色。 裏面は白っぽく、3本の葉脈が目立つ。 葉にはクスノキ科特有の芳香がほのかにある。 花期は晩秋で花は黄色、葉の付け根に小さい花が密集する。 実は翌年の秋に熟す。果実は径1.5pほどで赤い。 11月〜12月は花と実が同時に見られる。 観音崎の照葉樹林を形成する主要な樹木の一つである。 |
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大きさ |
高さ10〜15m |
分 布 |
朝鮮、中国、台湾。 日本では本州〜南西諸島。山地や低地の森林内。 |
【植 物】
【種 名】アシタバ (セリ科/多年草) Angelica keiskei |
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【特 徴】 海岸沿いでよく見られる。 葉は大きく、やや厚いが柔らかい。2回3出の羽状複葉で 鋸歯がある。切り口から黄色の汁を出す。 3〜5年経つと8〜10月に黄色く傘形の花序をつける。 その後、扁形で楕円形の実をつけ、枯れてしまう。 葉は食用になる。 成長は早く、アシタバの名は「葉を摘んでも明日にはまた芽が出る」ことからついたとされるが、それほどではない。 若葉にキアゲハの卵や幼虫がついていることがある。 |
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大きさ |
高さ約1m |
分 布 |
日本原産。房総半島〜紀伊半島、伊豆諸島。 |
【植 物】
【種 名】イソギク (キク科/多年草) Chrysanthemum pacificum |
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【特 徴】 海岸の崖に生育する。 地下茎で広がり多数の茎を立たせる。 葉は厚く、表面は緑で裏面は白い毛が密生する。 花は黄色の筒状花だけで形成され、舌状花はない。 花期は11〜12月。 他のキク属植物と雑種を作りやすい。 観音崎では白い舌状花のついたハナイソギクという雑種が灯台下で見られる。 なお、観音崎では野生のイソギクはほとんどなくなってしまい、 現在見られるものの多くは、公園内で自生していたものを観音崎自然博物館で栽培、移植後に繁殖した。 |
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大きさ |
高さ30〜40p |
分 布 |
千葉県〜静岡県、伊豆諸島。 |
【植 物】
【種 名】タブノキ (クスノキ科/常緑高木) Machilus thunbergii |
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【特 徴】 照葉樹林の代表的な種。 大きくなると枝が暴れたような独特の樹形になる。 葉は厚く光沢があり、鋸歯のない楕円形。手で揉むとクスノキ科 独特の芳香がある。 新芽は大きく枝の先端に1つできる。春になると芽が伸びて、赤みを帯びた新しい葉が開いていく。 花期は4〜6月で黄緑色の小さな花を咲かせる。 8〜9月に球形の黒い実をつける。 暖地の海岸付近に自生する。 観音崎公園北側の斜面でタブノキの大木が多数見られる。 |
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大きさ |
高さ15〜20m 胸高直径1m以上 |
分 布 |
本州以南、中国、フィリピン。 |
【植 物】
【種 名】ハマダイコン (アブラナ科/1年草) Raphanus sativus var.raphanistroides |
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【特 徴】 葉は水平に開き、羽状に裂ける。 春になると垂直にとうが立ち、先端に花序をつける。 花期は4〜6月。 花弁は4枚で紫かかった白色。 実は数珠のようなくびれがあり、2〜5個の種子をつける。 根は細くて辛い。食用には向かないが、おろしてわさびのように使うことはできる。 海岸の砂浜に群生する。 食用ダイコンの原種、あるいは野生化したものとも言われる。 |
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大きさ |
高さ60cm |
分 布 |
日本各地、朝鮮半島南部。 |
【植 物】
【種 名】スダジイ (ブナ科/常緑高木) Castanopsis sieboldii |
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【特 徴】 照葉樹木の代表的な種。 高さ15m以上の大木になり、成長すると樹皮に縦の裂け目ができる。葉は楕円形で厚く光沢がある。葉の裏側には細かい毛があり、黄色っぽく見える。 花期は5〜6月で穂のような黄色の花をつける。 実は1〜1.5pの先の尖った細長いどんぐりで花が咲いた翌年の秋に熟す。 潮風や乾燥に強く、観音崎では尾根で大木が見られる。 |
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大きさ |
高さ1.5〜2m 胸高直径1m以上 |
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分 布 |
本州以南、韓国 |
【植 物】
【種 名】マテバシイ (ブナ科/常緑高木) Lithocarpus edulis |
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【特 徴】 照葉樹木の代表的な種。 幹はなめらか。 葉は約15cmの楕円形で厚く光沢がある。 花期は5〜6月で穂のような黄色の花をつける。 実は2〜3pのどんぐりで花が咲いた翌年の秋に熟す。 自生地は南日本であるが、観音崎では薪炭を作るために植えられた。 森のロッジ付近では大木が多く見られる。 |
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大きさ |
高さ15m 胸高直径1m |
分 布 |
日本固有種で、自生地は紀伊半島伊南から沖縄 |
【植 物】
【種 名】カラスザンショウ (ミカン科/落葉高木) Zanthoxylum ailanthoides |
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【特 徴】 枝には鋭い棘があり、成長しても樹皮に跡が残る。 葉は80pくらいと大きく、複葉。 花期は7〜8月。花は小さく約5mm。 実は房ごと落ちて、乾燥すると果肉が割れて黒い種子が見える。 実の房はサンショウのような強い芳香がある。 山地で普通に見られ、葉はアゲハチョウ類の食草になる。 伐採や倒木後の裸地にはじめに育つ先駆植物。 |
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大きさ |
高さ6〜8m |
分 布 |
本州以南、中国、朝鮮、フィリピン |
【植 物】
【種 名】フウトウカズラ (コショウ科/つる性常緑低木) Piper kadzura |
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海岸付近の林に生育するつる植物。 茎の節から気根を出し、樹木や岩をはい上る。 雌雄異株。 葉はやや厚く、つやがあり、長さ5pくらいの卵形。 もむとコショウのようなかおりがする。 花期は5〜6月で、小さな黄色っぽい花をつけた穂状花序をたらす。花序の長さは5〜15p。 実は冬から春に見られ、赤く4〜5mmの球形でびっしりとかたまり、5cmくらいの房になる。 観音崎では林縁のいたるところで見られる。 |
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大きさ |
長さ約10m |
分 布 |
本州の関東以南、中国、台湾 |
【植 物】
【種 名】ヤツデ (ウコギ科/常緑低木) Fatsia japonica |
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【特 徴】 葉は大きく20〜30pほどもあり、厚くつやがある。5〜9に深く切れ込んでいて、そのてのひらを広げたような形から 「八つ手」の名がついた。 花期は10〜12月で、枝の先に大きな円錐花序をつくり、小さな白い花がボールのように集まる。 実は直径8mmくらいの球形で4月ごろに熟す。 海岸付近の林縁に生育し、日陰でもよく育つ。 |
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大きさ |
高さ3m |
分 布 |
関東以西、九州、沖縄 |
【植 物】
【種 名】アスカイノデ (オシダ科/常緑性シダ) Polystichum fibilloso-paleaceum |
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【特 徴】 葉が広がると直径1mにも達する大型のシダ。 葉の表面は光沢があり暗緑色で2回羽状複葉。 根茎は短く、塊状。葉は円形に出る。 葉軸には細かい鱗片がある。 若葉は褐色の鱗片でおおわれており、イノシシの手に似ている というのが種名の由来。 海岸付近の林床で湿ったところに群生する。 |
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大きさ |
葉柄の長さ70cm |
分 布 |
本州、四国、九州 |
【植 物】
【種 名】ヤブツバキ (ツバキ科/常緑高木) Camelia japonica |
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【特 徴】 照葉樹林の代表的な種。 山地や海岸付近に生育する。 葉は常緑で光沢があり、約2cmの楕円形。 花期は観音崎では12〜3月。 花弁は5枚で基部でくっつく。 花は濃いピンク色だが、白いものもある。 実は2〜3cmの球形。 ツバキ属は園芸品種が多いがヤブツバキはその原種である。 |
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大きさ |
高さ15m |
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分 布 |
本州以南、朝鮮、台湾 |
【植 物】
【種 名】エノシマキブシ (キブシ科/落葉低木) Stachurus praecox var.matsuzakii |
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【特 徴】 キブシの変種。(海岸型) キブシが山地に生育するのに対し、本種は海岸付近に生育する。 キブシより枝が太く、花序と葉が長い。 雌雄異株。 花期は3〜4月で葉が出る前に小さな黄色っぽい花を 10cmくらいの穂状につける。 他の樹木も若芽が出ていない時期なので、この花は林の中で よく目立つ。 実は1.5cmくらいの球形。 |
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大きさ |
高さ2m |
分 布 |
三浦・房総・伊豆半島 |
【植 物】
【種 名】ハマボッス (サクラソウ科/二年草) Lysimachia mauritiana |
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【特 徴】 海岸の岩場や崖に生える。 茎は長さ20〜40cmで赤みを帯びる。 葉は互生し、厚みがありつやがある。 花期は5〜6月で総状花序を出し、1cmくらいの白い花を つける。 実は5mmくらいの球形で、種子を出したあとも乾いて 翌年まで残る。 種名の由来は仏具の払子(ホッス)に形が似ていることから。 |
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大きさ |
高さ20〜40cm |
分 布 |
日本全土、東南アジア、太平洋諸島の熱帯から温帯域 |
【植 物】
【種 名】キランソウ (シソ科/多年草) Ajuga decumben |
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【特 徴】 野原や丘陵で見られる。 葉は地面をおおい、ロゼット状。シソ科であるが、 茎は四角でなく丸い。茎も地面をはう。 花期は3〜4月で紫色の唇状の花をつける。 観音崎では日の当たる噴水広場の斜面でよく見られる。 ジゴクノカマノフタという別名がある。 |
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大きさ |
高さ約5cm |
分 布 |
日本以南、朝鮮、中国 |
【植 物】
【種 名】トベラ (トベラ科/常緑低木) Pittosporum tobira |
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【特 徴】 海岸付近に多く、潮風や乾燥に強い。 街路樹として、植栽されることもある。雌雄異株。 葉は枝の先に集まってつく。 葉は卵形でつやがあり、全体が反る。 花期は5月で白く良い香りのする花をつける。 実は直径1.5cmの球形で熟すと割れて、赤く粘り気のある 種子が露出する。 節分に魔よけとして戸口に飾ったので「扉の木」といわれ、 それがなまって「トベラ」となった。 |
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大きさ |
高さ約3m |
分 布 |
本州以南、朝鮮、中国南部、台湾 |
【植 物】
【種 名】キケマン (ケシ科/二年草) Corydalis heterocarpa var.japonica |
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【特 徴】 草原や海岸で見られる。 茎はみずみずしく太い。 葉はやわらかく2〜3回3出複葉。 花期は4〜5月で総状花序を出し、黄色い花を多数つける。 ケマンとは仏前につるす飾りもののことで、花穂をそれに 見立てている。 実はマメのさやに似ており、はじけて種子を飛ばす。 観音崎では海岸沿いで群落が見られる |
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大きさ |
高さ20〜40cm |
分 布 |
本州から九州 |
【植 物】
【種 名】ク コ (ナス科/落葉低木) Lycium chinense |
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【特 徴】 ほふく茎を伸ばして地面をはい、垂直方向に束になった多くの 枝を伸ばす。 枝は細くて白っぽく、葉と棘が互生する。 花期は8〜10月、紫色で1cmくらいの花をつける。 実は赤く1〜2cmの楕円形。 海岸や河原などに多い。 食用や漢方薬に使われる。 |
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大きさ |
高さ約1m |
分 布 |
日本各地、東アジア |
【植 物】
【種 名】ムラサキケマン (ケシ科/二年草) Corydalis incisa |
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【特 徴】 直射日光の当たらない、少し日陰になるところに生育する。 全体は柔らかい。 葉は2〜3回3出複葉。 花期は4〜5月で総状花序を出し、紫色の筒状の花を多数つける。 ケマンとは仏前につるす飾りもののことで、花穂をそれに見立て ている。 実はマメのさやに似ており、はじけて種子を飛ばす。 観音崎では林縁の園路沿いで群落が見られる。 |
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大きさ |
高さ20〜40cm |
分 布 |
日本全土、中国 |
【植 物】
【種 名】コバノタツナミソウ (シソ科/多年草) Scutellaria indica var.parvifolla |
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【特 徴】 茎は短い地下茎から直立する。 葉は対生し、丸い卵形で鋸歯がある。 花期は4〜5月で、青紫色の筒状の花を茎の先端に穂状につける。 花は同じ方向を向いていて、そのようすを波頭に見立て、 タツナミソウの名がついた。 本種はタツナミソウの仲間の中では葉が約1cmと小ぶりで 葉の表面に短い毛を密生する。 海岸に近い山地のやや日陰になるところに生育し、観音崎では 林縁の園路沿いで見られる。 |
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大きさ |
高さ5〜20cm |
分 布 |
関東以南〜九州、中国 |